通訳案内士の「日本歴史」は歴検2級で免除が正解|92点で一発クリアした勉強法
全国通訳案内士試験の「日本歴史」は、年によって難易度が大きく振れる5科目イチの読めない科目と言われます。私はこの科目を本試験では受けていません。歴史能力検定(歴検)2級に先に合格して、免除で消したからです。スコアは92点でした。
なぜ本試験ではなく歴検で取るのか
- 本試験の歴史は出題が読めない。写真・美術史・細かい文化史など、対策の的を絞りにくい
- 歴検2級は出題形式が安定した4択マーク式で、過去問対策がそのまま効く
- 本試験は年1回。歴検も年1回(例年11月)ですが、通訳案内士試験の前年秋に受ければ、本試験を3〜4科目に減らして翌年8月を迎えられる
- 歴検2級の合格は通訳案内士試験の免除にずっと使える資格として残る
「歴史が得意だから本試験で勝負」という人以外は、歴検先取りが合理的です。免除制度の全体像は免除制度 完全ガイドへ。
両者を並べると、リスクの構造がまったく違うことが分かります。
| 本試験「日本歴史」 | 歴検2級(日本史) | |
|---|---|---|
| 実施回数 | 年1回(例年8月) | 年1回(例年11月) |
| 出題形式 | 写真・図版を使った出題もあり、年による振れが大きい | 4択マーク式で形式が安定 |
| 合格基準 | 100点満点中70点 | 合格ラインに届けばよい(満点不要) |
| 対策 | 的を絞りにくい | 過去問対策がそのまま効く |
| 落ちた場合 | 合格自体が翌年以降に持ち越し | 翌年8月の本試験で歴史を受ける道が残る |
注目してほしいのは最後の行です。本試験で歴史を落とすと合格そのものが翌年に飛びますが、歴検に落ちても翌年8月の本試験で歴史を受ければいいだけ。失敗が致命傷にならない順番に入れ替えるのがこのルートの本質です。
免除に使えるのは「日本史の2級以上」
歴史能力検定にはいくつもの級がありますが、通訳案内士試験の日本歴史免除に使えるのは日本史の1級または2級です。世界史や3級以下は対象になりません。1級はかなりの難関なので、免除が目的なら2級一択です。
- TOEICスコアと違って有効期限を気にせず使えるのも歴検ルートの利点です
- 免除は自動では適用されません。出願時に手続きが必要なので、詳細は必ずJNTO公式の試験ページと最新の試験ガイドラインで確認し、合格証書は大切に保管してください
なお、英語はTOEIC900点以上(→勉強法)、日本地理は旅行業務取扱管理者(→勉強法)でも免除が取れ、組み合わせれば本試験は最大2科目まで減らせます。
私の勉強法:3段ロケット(マンガ→動画→一問一答)
歴史の勉強は「いきなり暗記」が一番挫折します。私は流れ→講義→暗記の3段階に分けました。
段階1:歴史マンガで「物語」として流れをつかむ
まず日本史全体を物語として頭に入れます。マンガなら1〜2週間で通せて、「なぜそうなったか」の因果が残ります。ここを飛ばすと、あとの暗記が丸暗記になって崩れます。
コツは、1周目から覚えようとしないことです。年号や人名は素通りでよく、「時代の順番」と「各時代で何が起きて次の時代に変わったか」が言えれば1周目は合格。あとから一問一答で入れる知識をぶら下げる「フック」を先に作っておくイメージです。
段階2:YouTubeの高校日本史の通史解説で「講義」を受ける
無料で質の高い通史解説がいくらでもあります。マンガで入れた流れに、用語と年代の骨格を乗せていくイメージです。倍速再生で回転数を上げます。
ここでのコツは2つ。①講師との相性で選ぶこと。通史解説のチャンネルは複数あるので、最初の1〜2本を見比べて、説明がすっと入ってくる人に決めてください。合わない講義を我慢して見続けるのが一番の時間の無駄です。②ノートは取らないこと。この段階の目的は「なぜ幕府が倒れたのか」といった因果の理解であって、暗記は次の段階の仕事です。
段階3:『日本史一問一答【完全版】』(東進)で知識を肉付け
仕上げは一問一答の反復。マンガと動画で文脈ができているので、単発の暗記がスッと入ります。
回し方にもコツがあります。
- 書かない。口頭で即答してテンポよく進めます。書くと1周が重くなりすぎます
- 1周の完璧より3周の速度。忘れることを前提に、周回で定着させます
- 頻出度の高い問題から。全問を均等にやる必要はありません。まず頻出問題だけで全時代を1周し、2周目から範囲を広げます
- 答えられなかった問題に印をつけ、3周目以降は印のついた問題だけを回します
歴検2級のヤマ:近代を厚くやる
歴検でも通訳案内士本試験でも、近代(幕末〜昭和)は毎年しっかり出ます。逆に旧石器〜古代は配点が薄い。「古い時代から律儀に完璧にしていく」勉強は、試験対策としては配分ミスです。近代を厚く、前近代は流れ+頻出事項に絞るのが得点効率のいい配分でした。
粒度の目安は、前近代は「流れ+各時代の定番テーマ」まで、幕末以降は一問一答レベルまで細かく、です。
また、寺社・仏像・城・世界遺産などの文化史は、覚える対象が日本地理の観光名所とかなり重なります。地理も自分で受ける予定の人は、白地図に「時代」を書き添えるだけで2科目分の勉強になるので、セットで進めると効率的です。
過去問で「時代別の弱点」を測る
歴検は出題形式が安定しているぶん、過去問がそのまま最高の模試になります。おすすめの使い方は「最後にまとめて解く」ではなく、一問一答の2周目あたりで一度挟むことです。
- 時間を計って1年分を解く
- 採点したら、点数そのものより「どの時代で落としたか」を集計する
- 弱かった時代だけ、マンガや動画に戻って流れを確認し直す
- 直前期は、間違えた問題だけを繰り返す
スケジュール感
| 時期 | やること |
|---|---|
| 夏〜秋 | マンガ→YouTube通史→一問一答 |
| 11月 | 歴検2級を受験 |
| 翌年8月 | 通訳案内士一次(歴史は免除で受けない) |
私は10月に通訳案内士の勉強を始めて、そのまま11月の歴検に突っ込みました。短期決戦でも3段ロケットなら間に合います。
歴検は年1回。申込期間を逃した時点で、このルートは翌年まで使えません。勉強を始める前に、公式サイトで試験日と申込期間を確認してカレンダーに入れてください。
万一歴検に落ちても、範囲が大きく重なるので勉強はそのまま翌年8月の本試験対策に切り替えられます。「まず歴検、ダメなら本試験」の二段構えにできるのが、前年秋に仕込む最大のメリットです。
免除の仕込みも含めた年間の全体設計は独学10ヶ月ロードマップにまとめています。
よくある質問
まとめ
- 歴史は本試験で勝負しない。歴検2級で前年に消す
- 勉強はマンガ→YouTube→一問一答の3段階。いきなり暗記しない
- 近代重点の配分で92点。満点はいらない、合格点でいい
一次試験全体の戦略は独学一発合格の勉強法にまとめています。