通訳案内士 一次試験の出題傾向をAIで全分析【2026年度予想】|過去5年2,456問から見えた狙い目
「傾向を掴め」と言われても、過去問を眺めているだけでは全体像は見えません。そこで、JNTOが公開している2021〜2025年度の筆記試験問題(日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務)を全ページAIに読ませ、出題項目を1つずつ抜き出して集計しました。
- 対象: 公式PDF 20ファイル・151ページ(2021〜2025年度/4科目)
- 抽出項目: 2,456件(地理672/歴史884/一般常識435/実務465)
- 方法: 各ページを画像として読み取り、設問の主題と選択肢の固有名詞を分野・都道府県つきで分類。集計は機械処理
最初にお断りを。これは過去問データの集計であって、当たると保証するものではありません。「5年間出ていない」という記述はすべて「この2,456項目の範囲では確認できなかった」という意味です。それでも、後述する「年ごとの特集県」のような構造ははっきり見えたので、対策の優先順位づけには十分使えます。
日本地理:上位3分野で半分。そして「特集県」がある
分野別の出題比率(672件)
| 分野 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 都市・地形 | 163 | 24% |
| 山岳・河川・湖沼 | 105 | 15% |
| 神社仏閣 | 74 | 11% |
| 半島・岬・海岸 | 57 | 8% |
| 交通(新幹線・空港) | 47 | 6% |
| 農林水産 | 39 | 5% |
| 温泉 | 37 | 5% |
| 離島 | 28 | 4% |
| 郷土料理 | 25 | 3% |
| 伝統工芸 | 24 | 3% |
上位3分野だけで50%です。「地名・地形・河川・寺社」という基礎の4点セットが試験の骨格で、温泉や郷土料理は味付けに過ぎません。白地図学習を軸にするのが正解だと、数字でも裏付けられました。
★最重要の発見:1年に数県を「特集」する構造
都道府県別に数えると、はっきりした癖が出ました。その年に選ばれた県だけ、10〜20項目が集中して出ます。
| 県 | 5年計 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 神奈川県 | 21 | 1 | 20 | 0 | 0 | 0 |
| 三重県 | 20 | 0 | 3 | 0 | 17 | 0 |
| 京都府 | 24 | 0 | 3 | 18 | 3 | 0 |
| 熊本県 | 25 | 16 | 2 | 1 | 0 | 6 |
| 北海道 | 51 | 0 | 11 | 1 | 14 | 25 |
| 長野県 | 23 | 2 | 3 | 14 | 0 | 4 |
神奈川県は2022年に20件出た後、3年連続ゼロ。三重県は2024年に17件出て、その前後はほぼゼロ。つまり大問1つがまるごと1つの県に充てられる構造です。
そして5年間で出題ゼロの都道府県は1つもありませんでした(47都道府県すべてが最低1回は登場)。捨てられる県はない、ということでもあります。
3回以上出た項目
| 項目 | 出題年 |
|---|---|
| 北上川 | 2021・2022・2023 |
| 吉野川 | 2021・2024・2025 |
| 後楽園 | 2021・2022・2025 |
再出題は河川に集中しています。理由は明快で、河川は複数の県にまたがるため「別の県の設問でもう一度使える」から。2回出た項目にも最上川・大和川・仁淀川・伊勢湾と河川・水系が並びます。河川名の暗記は投下時間あたりの効率が最も高いと言えます。
2026年度の狙い目(地理)
- 直近2年(2024・2025)に1件も出ていない県——神奈川・千葉・滋賀・福島・青森。特に神奈川は2022年に大量出題して以降3年空いており、周期的に戻る位置にいます
- 2025年に急増した分野の反動——交通(新幹線・空港)が2025年に21件と突出(前年5件)。北陸新幹線の延伸が背景とみられ、翌年は落ち着く可能性
- 逆に枯れている分野——郷土料理は2021年の15件以降、2件→5件→1件→2件と低調。世界遺産も2024年ゼロ。補充の時期です
日本歴史:人物が4分の1。信長・秀吉・家康は「毎年いる」
分野別(884件)
| 分野 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 人物 | 232 | 26% |
| 制度・政治 | 72 | 8% |
| 近世(安土桃山〜江戸) | 70 | 8% |
| 宗教 | 68 | 8% |
| 文学 | 62 | 7% |
| 仏教美術・建築 | 58 | 7% |
| 外交・貿易 | 57 | 6% |
歴史は「時代」より「人名を選ばせる」試験です。人物だけで26%を占めます。
3回以上出た項目(9件)
| 項目 | 出題年 | 回数 |
|---|---|---|
| 豊臣秀吉 | 2021・2022・2024・2025 | 4回 |
| 徳川家康 | 2022・2023・2024 | 3回 |
| 織田信長 | 2022・2023・2024 | 3回 |
| 徳川家光 | 2021・2022・2023 | 3回 |
| 武田信玄 | 2022・2023・2025 | 3回 |
| 足利義満 | 2021・2023・2024 | 3回 |
| 一遍 | 2021・2022・2025 | 3回 |
| 臨済宗 | 2021・2024・2025 | 3回 |
| 遣唐使 | 2022・2023・2025 | 3回 |
ここが一番の実用情報です。「去年出たから今年は出ない」という消去法は、この試験では通用しません。 秀吉は5年で4回、信長・家康は3回ずつ登場しています。三英傑と主要な合戦(姉川・三方ヶ原・山崎——いずれも2022と2023の連続出題)は、毎年ローテーションに入っている前提で押さえてください。
意外に強いのが鎌倉仏教と禅宗です。一遍が3回、臨済宗が3回。宗教分野は5年間どの年も9〜18件出ており、安定枠になっています。
都道府県の偏り
| 県 | 件数 |
|---|---|
| 京都府 | 83 |
| 東京都 | 62 |
| 奈良県 | 56 |
京都・東京・奈良の3都府県で全体の約4分の1。歴史は地理と違い、5年間ゼロの県が3つありました(茨城・鳥取・宮崎)。直近2年ゼロは山口・長野・岐阜・宮城・徳島・青森・大分・福島です。
一般常識:観光政策と文化・芸能で半分
分野別(435件)
| 分野 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 文化・芸能 | 113 | 25% |
| 観光政策・制度 | 109 | 25% |
| 経済・産業 | 42 | 9% |
| 政治・行政 | 39 | 8% |
| 観光白書の統計 | 31 | 7% |
| 訪日外国人動向 | 29 | 6% |
「一般常識」という名前から時事問題を想像しがちですが、実態は観光政策と日本文化の試験です。時事(直近の出来事)は5年で17件・3%しかありません。
毎年出る定番
- 訪日外国人の国・地域別ランキング——中国・韓国・台湾・香港が揃って3回ずつ出題。上位4か国・地域の順位と構成比は必修です
- 旅行消費額の費目——買物代・宿泊費・飲食費・交通費・娯楽等サービス費がそれぞれ2回。費目別の順位を押さえるだけで得点になります
- 制度・条約——世界遺産条約、ユネスコ無形文化遺産(和食)、文化財保護法、SDGs、パリ協定、DMO(観光地域づくり法人)、日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)
つまり観光白書を軸にする戦略は正しく、特に統計の「順位」と「費目」に絞るのが効率的です。
通訳案内の実務:3割が法律
分野別(465件)
| 分野 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 関連法規 | 142 | 30% |
| 食事制限・宗教対応 | 74 | 16% |
| 旅程管理 | 60 | 13% |
| 医療・救急 | 50 | 11% |
| 危機管理・緊急時対応 | 47 | 10% |
| ガイドの心得 | 41 | 9% |
| 交通機関の実務 | 37 | 8% |
3回以上出た項目(6件)
| 項目 | 出題年 | 回数 |
|---|---|---|
| 募集型企画旅行 | 2021・2022・2024・2025 | 4回 |
| 受注型企画旅行 | 2022・2024・2025 | 3回 |
| 地域通訳案内士 | 2021・2023・2025 | 3回 |
| 旅程管理主任者 | 2021・2022・2024 | 3回 |
| 景品表示法 | 2021・2022・2024 | 3回 |
| 登録研修機関 | 2023・2024・2025 | 3回 |
実務が最強のコスパ科目である理由が、数字ではっきりしました。上位2分野(関連法規+食事制限・宗教対応)だけで46%。しかも繰り返し出るのは「募集型/受注型企画旅行の区別」「旅程管理主任者」「地域通訳案内士」といった同じ用語です。ここだけ潰せば合格点(50点中30点)に届きます。私が勉強1時間未満で43点だったのは、範囲がこれだけ狭いからです。
近年の傾向として、著作権(2022〜2024に集中)と薬機法(2024・2025)が新しく入ってきています。ガイドが観光地の写真や音楽を扱う場面、健康食品を説明する場面を想定した出題です。
まとめ:2026年度に向けた優先順位
- 地理は河川と地形用語から——再出題が確認できたのは河川に集中(北上川・吉野川・最上川ほか)。県をまたいで使い回せるため効率が最高
- 地理は「今年の特集県」を張る——直近2年ゼロの神奈川・千葉・滋賀・福島・青森が周期的に戻る位置。各県の「城下町+河川+寺社+名物」を1セットで
- 歴史は人物26%。三英傑は毎年いる前提——「去年出たから今年は出ない」は通用しない。鎌倉仏教・禅宗も安定枠
- 一般常識は統計の順位と費目——訪日客の上位4か国・地域と、旅行消費額の費目別順位
- 実務は法律3割——募集型/受注型企画旅行の区別、旅程管理主任者、地域通訳案内士。ここだけで合格点に届く
この分析のやり方(自分でもできます)
同じことは誰でも再現できます。過去問はJNTO公式に2021年度以降が公開されています(著作権に配慮して引用文の一部は非掲載)。
ただしPDFは画像として保存されているため、テキストのコピーができません。そこでAIに画像として読ませ、出題項目を抜き出して表にしました。手順とプロンプトの考え方はAIを使い倒して一発合格した話に書いています。二次試験のプレゼンお題でも同じ手が使えます(実際にこれで本番の3択のうち2つを的中させました)。
試験直前の詰め方は直前1週間チェックリスト、当日の動き方は一次試験「当日」の完全ガイドへ。試験が終わったら、その日のうちに解答速報で自己採点して二次対策に切り替えてください。