通訳案内士 二次試験のオンライン英会話3社徹底比較|ネイティブキャンプ・ワールドトーク・スタディサプリ
オンライン英会話の使い方——レッスンをどう試験形式に改造するか——はオンライン英会話の使い倒し方に書きました。この記事はその手前、「どれを選ぶか」だけに絞ります。
最初に正直に書いておきます。私が受験期に主に使ったのは勉強仲間との練習で、3社すべてを受講したわけではありません。この記事は体験談ではなく、現役ガイドが「二次対策の道具」として見たときにどこを比べるべきかという選び方の提示です。料金・仕様は各社の公式サイトで確認した2026年8月時点のもの。キャンペーンで変動するので、申し込み前の最終確認は必ず公式でお願いします。
結論:この3社は、そもそも土俵が違う
比較記事らしくない結論から入りますが、ここを誤解したまま選ぶと確実に失敗します。
| サービス | 形態 | 講師 | 二次対策での役割 |
|---|---|---|---|
| ネイティブキャンプ | 回数無制限のオンライン英会話 | 世界140カ国以上 | 場数と回転数を稼ぐ |
| ワールドトーク | ポイント制のオンライン英会話 | 日本人講師が中心 | 日本語で深く直してもらう |
| スタディサプリENGLISH TOEIC対策コース | アプリ教材(講師レッスンなし) | — | 一次の英語免除を取りに行く |
3つ目のスタディサプリは、会話レッスンのサービスではありません。人に向かって話す練習はできないので、二次の直接対策にはなりません。それでも並べているのは、英語をTOEIC 900点で免除するルートを選ぶ人にとっては、二次の前にまずここへ投資するのが正解だからです(詳細は後述)。
「オンライン英会話3社の比較」ではなく「合格までの道のりで、お金を置く場所が3種類ある」と読んでください。
比較の軸:二次対策で見るべきは4つだけ
二次口述は1人あたり約10分、プレゼンテーション(お題3つから1つ選んで約2分)/外国語訳/実務質疑の3パートです。この形式から逆算すると、サービス選びで見る点は次の4つに絞られます。
| 軸 | なぜ効くか |
|---|---|
| ①回数を稼げるか | 「人に向かって話す」は知識ではなく慣れ。週1では体に入らない |
| ②フィードバックの深さ | 話しっぱなしでは直らない。構成のどこが伝わらなかったかを言語化してもらう必要がある |
| ③プレゼン練習に付き合ってくれるか | 2分間こちらが一方的に話すのを、黙って聞いてもらえるか。テキスト進行のサービスでは意外と難しい |
| ④日本語で解説してもらえるか | 「なぜ伝わらなかったか」の説明は、日本語のほうが圧倒的に速い |
この4軸は時期によって優先順位が入れ替わります。型ができていない序盤は②④(直してもらう)が効き、直前期は①(場数)が効く。「1社を最後まで」と決めつけず、時期で主役を替える前提で選ぶと楽になります。
①ネイティブキャンプ:「場数」を最大化する装置
まず公式サイトで確認できる仕様を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額(プレミアムプラン) | 7,480円(税込)/年間割引オプションの適用で月あたり6,480円(税込) |
| ファミリープラン | 月1,980円(税込)※2親等以内の親族・同居家族向け |
| レッスン回数 | 無制限 |
| 予約 | 「今すぐレッスン」は予約不要。24時間365日いつでも受講可 |
| 1レッスンの長さ | 1〜25分から選べる |
| 講師 | 世界140カ国以上 |
| 教材 | 32,000を超えるコンテンツ |
| 無料体験 | 7日間(無料期間中も回数無制限) |
二次対策として効くところ
回数無制限×予約不要の組み合わせは、二次対策と相性が良すぎます。二次口述は形式が決まっている試験なので、「同じ型を、違う相手に、何度も」が最短ルート。予約枠を押さえる手間がないぶん、朝の20分、寝る前の15分といった細切れ時間を全部レッスンに変換できます。
もうひとつ見逃せないのが、1レッスンの長さを1〜25分で選べること。「2分プレゼン+講評だけ」の10分レッスン、「シチュエーション問答1本だけ」の5分レッスンといった、本番のパーツだけを切り出した短時間の反復が組めます。25分固定のサービスでは作りにくい練習形態で、直前期に1日2〜3本回すならこの短尺運用が効きます。
講師が140カ国以上という点も、二次ではプラスです。試験官も実務で出会うお客様も、必ずしもネイティブではありません。多様な発音に耳を慣らすこと自体が実務訓練になります。
注意点
- 予約レッスンにはコインが必要です。必要コイン数は講師ごとに設定されており、予約時に表示されます。「この講師に毎回見てほしい」という使い方をすると、月額とは別に費用が乗ります。逆に言えば、今すぐレッスン中心で回すかぎり追加費用はかかりません
- ネイティブ講師の受け放題は月9,800円(税込)の追加オプション、カランメソッド受け放題は月4,900円(税込)の追加オプションです。二次対策に必須ではないので、まずは標準プランで十分だと私は考えます
- フィードバックの質は講師によります。無料体験の7日間で複数の講師に当たり、「講評が具体的な人」を数名お気に入り登録しておくのが、このサービスを使いこなす最大のコツです
②ワールドトーク:「日本語で直してもらう」ためのサービス
こちらは日本人講師が中心のオンライン英会話です。料金はポイント制で、公式サイトのプラン表は次のとおりです。
| プラン | 月額(税込) | ポイント | 受講回数の目安 |
|---|---|---|---|
| お試し | 4,400円 | 4,000pt | 1〜5回 |
| お気軽 | 6,600円 | 6,500pt | 2〜8回 |
| イチ押し | 8,800円 | 8,700pt | 3〜11回 |
| しっかり | 11,000円 | 11,000pt | 4〜14回 |
| 集中 | 22,000円 | 22,000pt | 8〜28回 |
| 実践 | 33,000円 | 33,000pt | 12〜42回 |
| 極める | 49,500円 | 50,000pt | 19〜64回 |
1コマは25分。予約制で、公式FAQによれば予約はレッスン開始の3時間前まで(空きがあれば「今すぐ予約可能」枠で開始10分前まで取れる場合もあります)、キャンセル操作ができるのは開始2時間前までです。無料体験は登録時に付与される体験用ポイントで受講する形(多くの講師で1回分)、クレジットカード登録は不要です。
回数に幅があるのはポイント制だからです。消費ポイントは講師ごとに異なり、公式の講師検索は700〜1,000pt/1,000〜1,500pt/1,500〜2,000pt/2,000〜2,500pt/2,500〜3,500ptという価格帯で絞り込めるようになっています(一覧に並ぶのは1,000〜1,300pt前後の講師が多い)。同じ月額でも、誰を選ぶかで受講回数が2倍近く変わるという構造は理解しておいてください。
二次対策として効くところ
最大の価値は、「なぜ伝わらなかったか」を日本語で説明してもらえることです。
二次のプレゼンで落ちる原因は、単語力よりも構成であることが多い。「結論が最後に来ていて聞き手が迷子になった」「2分のうち導入に50秒使っている」といった指摘は、英語で受け取ると理解に時間がかかり、レッスン時間が解説で溶けます。日本語なら30秒で終わる。25分の密度が上がるわけです。
もうひとつ、試験の説明をする手間がゼロという利点もあります。試験の形式を英語で説明するところから始めると毎回3分は持っていかれますが、日本語で「通訳案内士の二次対策です」と言えば済む。地味ですが効きます。
公式サイトには対応レッスンとして英検・TOEIC対策、発音指導、文法指導、ビジネス、トラベル英語、英文添削などが挙げられており、試験対策に慣れた講師を指名できるのも、この試験との相性が良い点です。
注意点
- 予約制(原則レッスン開始の3時間前まで)なので、「今から15分だけ」という思いつきの練習には向きません。直前枠が出ることもありますが、当てにはできません
- 回数単価は高めです。月8,800円のイチ押しプランでも3〜11回。毎日回したい直前期には不向きです
- 日本語が通じることが甘えになる危険があります。レッスン冒頭で「最初の15分は英語だけ、最後の10分は日本語で講評」のように自分で線を引くのが必須です。ここを決めずに始めると、日本語の雑談で25分が終わります
③スタディサプリENGLISH TOEIC対策コース:英語免除を狙う人の一手
3つ目だけ毛色が違います。これは講師とのレッスンがないアプリ教材で、TOEIC L&R のスコアを上げるための商品です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額(ベーシックプラン) | 3,278円(税込) |
| 6ヶ月パック | 18,348円(税込)/月あたり3,058円 |
| 12ヶ月パック | 32,736円(税込)/月あたり2,728円 |
| 講義動画 | 約580本 |
| 演習量 | TOEIC L&R TEST 20回分相当 |
| トレーニング | ディクテーション約2,300問/シャドーイング約1,200問/レベル別単語クイズ1,500語 |
| 無料体験 | 初回7日間 |
※6ヶ月・12ヶ月パックは、時期によって公式サイトにキャンペーン価格(上記より安い金額)が出ていることがあります。申し込み前に必ず現在の表示価格を確認してください。
かつて存在したパーソナルコーチプランは新規申込の受付が終了しています(運営元の発表によると新規申込停止は2026年3月31日、サービス提供終了は2026年10月15日)。他サイトの古い比較記事にはまだ載っていることがあるので、料金を見て申し込もうとすると空振りします。現在選べるのはベーシックプランです。
なぜ「二次対策の比較記事」にアプリ教材が並ぶのか
全国通訳案内士試験の一次筆記のうち、外国語(英語)はTOEIC L&R 900点以上で免除になります(詳細はTOEIC免除の記事、免除全体は免除制度 完全ガイドへ)。
ここが戦略の分岐点です。まだ一次の段階にいる人にとって、二次のオンライン英会話に月7,000円払うのは早い。それより、
- TOEICで900点を取って英語筆記を消す
- 一次の負担が軽くなったぶん、地理・歴史・一般常識・実務に時間を回す
- 一次通過後の約2ヶ月を、まるごと二次の会話練習に使う
という順番のほうが、同じ予算で得られるものが大きい。投資の順番の話です。
そのうえで、免除が取れても取れなくても、二次口述は全員が受けます。TOEICで鍛えたリスニングは外国語訳パートで効きますが、2分プレゼンは別技能です。免除を取った人こそ、一次が終わる8月以降は早めに会話練習へ切り替えてください。
実額比較:二次対策で使うのは「約2ヶ月」だけ
2026年度は一次筆記の合格発表が9月25日(予定)、二次口述が11月29日。会話練習に本気で投資する期間は、実質2ヶ月強です。この前提で総額を並べます。
| サービス | プラン例 | 2ヶ月の総額(目安) | この期間に稼げる回数の目安 |
|---|---|---|---|
| ネイティブキャンプ | プレミアム月額7,480円 | 約14,960円 | 無制限(1日2本なら120本超も可能) |
| ネイティブキャンプ | 年間割引オプション(月6,480円換算) | 約12,960円 | 同上 |
| ワールドトーク | お気軽 月6,600円 | 約13,200円 | 4〜16回 |
| ワールドトーク | イチ押し 月8,800円 | 約17,600円 | 6〜22回 |
| スタディサプリ | ベーシック 月3,278円 | 約6,556円 | (TOEIC対策のため二次の会話練習は不可) |
同じ1万数千円でも、片方は100本以上、もう片方は10回前後。この差が「頻度重視か、密度重視か」という選択そのものです。
そして忘れてはいけないのが、二次で不合格になると次のチャンスは約1年後(一次の免除は残るとはいえ)という事実。1年待つコストと比べれば、2ヶ月で1〜2万円は安いほうだと私は思います。
タイプ別の推奨
- 頻度重視(とにかく場数を踏みたい)→ ネイティブキャンプ
- フィードバック重視(構成から直してほしい)→ ワールドトーク
- 英語免除狙い(まだ一次の段階)→ スタディサプリENGLISH
頻度重視の人 → ネイティブキャンプ
当てはまるのはこんな人:英語で話すこと自体にはそこそこ慣れている/プレゼン30テーマの仕込みが進んでいて、あとは口に馴染ませるだけ/平日夜や早朝の細切れ時間しか取れない。
型はもうある、足りないのは反復——という段階なら、回数無制限が最短です。1レッスン10分の短尺で1日2本という運用ができるのは、この形態ならでは。直前2週間の追い込みにも効きます。
フィードバック重視の人 → ワールドトーク
当てはまるのはこんな人:話してはいるが手応えがない/プレゼンが2分に収まらない、もしくは1分で尽きる/独学で、誰にも原稿を見てもらったことがない。
「たくさん話す」より「1本を徹底的に直す」ほうが伸びる段階です。日本語で構成の指摘をもらい、直したものをもう一度出す——このサイクルを週2回転させるだけで、プレゼンの骨格は見違えます。
英語免除狙いの人 → スタディサプリENGLISH
当てはまるのはこんな人:まだ一次の勉強中/TOEICが700〜800点台で、900点が射程に入っている/来年度の受験を見据えて今から仕込みたい。
この段階でオンライン英会話に月7,000円払うのは、優先順位が逆です。まずTOEICで英語筆記を消し、一次を軽くする。会話練習は一次通過後で間に合います。
併用という現実解
「1社に決めなければいけない」というルールはありません。むしろ二次対策では役割分担させるほうが合理的です。
| 時期 | 主役 | 内容 |
|---|---|---|
| 合格発表〜2週目 | ワールドトーク中心 | プレゼンの型と構成を日本語で徹底的に直す。週2 |
| 3〜6週目 | 両方 | 週2でワールドトーク(添削)+平日はネイティブキャンプで反復 |
| 直前2週間 | ネイティブキャンプ中心 | 本番通し形式を毎日。フィードバックより回数 |
さらに費用を抑えたいなら、平日はAI・週末は人間という組み合わせもあります。ChatGPTの音声モードを面接官として使う方法はChatGPT活用法にまとめました。AIは無限に付き合ってくれますが、「人間に見られている緊張感」だけは再現できません。ここに課金する、と割り切るのが正しいお金の使い方です。
期間全体の組み立ては二次試験の2ヶ月計画、時間がない人は1ヶ月短期決戦プランへ。
無料体験で必ず確認したい3つのこと
3社とも無料体験があります(ネイティブキャンプ7日間/ワールドトークは登録時の体験用ポイントで受講・クレカ登録不要/スタディサプリ初回7日間)。課金前に、二次対策に使えるかを確かめてください。チェックするのはこの3点です。
- 「試験練習に付き合ってほしい」というリクエストが通るか——テキスト進行に戻されないか
- 2分間、黙って聞いてくれるか——途中で相づちや訂正が入ると本番の再現になりません
- フィードバックが具体的か——「Good job!」で終わる講師か、「3つ目の例が主題とずれていた」と言える講師か
体験レッスンの冒頭で使う依頼フレーズはオンライン英会話の使い倒し方にまとめてあるので、そのままコピーして持ち込んでください。
無料体験は解約期限をカレンダーに入れてから始めてください。7日間の体験は、使わなくても日数だけ進みます。「合格発表の週から始める」と決めているなら、体験の開始日もそこに合わせるのが無駄がありません。
よくある質問
まとめ
- 3社は土俵が違う。ネイティブキャンプ=場数、ワールドトーク=日本語での添削、スタディサプリ=一次の英語免除
- 二次対策で見る軸は回数・フィードバックの深さ・プレゼンに付き合ってくれるか・日本語が通じるかの4つ
- 会話練習に投資するのは実質2ヶ月。総額1〜2万円で、1年待つリスクを下げられる
- 迷ったら序盤はワールドトークで型を直し、直前はネイティブキャンプで回数の併用が堅い
- 料金・プランは変動するので、申し込み前に必ず公式サイトで最終確認を
選んだあとの「レッスンをどう試験形式に改造するか」はオンライン英会話の使い倒し方に全部書きました。二次全体の戦略は二次口述の対策法、外国語訳パートの技術は略字メモ術、シチュエーション対策は想定問答10選へどうぞ。