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一次試験

一次試験の合格発表と「科目合格の持ち越し」完全ガイド【2026年度】|9/25の結果をどう読むか

書いた人: 現役の全国通訳案内士(独学一発合格)公開
受験生
一次の発表、9月末ですよね。もし落ちてたら…今年の勉強って全部ムダになるんですか?
ガイド
なりません。一次で基準点を取った科目は、翌年度の試験で免除できます。ただし自動では免除されないので、そこだけは今日覚えて帰ってください。

一次筆記の合格発表は2026年9月25日(金)予定。この日に分かるのは「受かったか落ちたか」だけではありません。科目ごとに基準点に達したかどうかまで通知されます。そしてこの科目単位の結果が、翌年度の戦い方を丸ごと決めます。

この記事は「発表後にどう動くか」に特化しています。試験当日の自己採点のやり方は解答速報と自己採点の記事にまとめてあるので、まだ8月の人はそちらから読んでください。

2026年度のスケジュール(発表前後)

日付できごと使う場所
8月16日(日)筆記(一次)試験試験会場
9月25日(金)予定筆記試験 結果通知マイページ
11月上旬頃口述試験の受験票公開マイページ
11月29日(日)口述(二次)試験試験会場
2027年1月22日(金)予定口述試験 結果通知・最終合格発表官報+マイページ
2027年2月28日(日)まで合格証書の交付期間マイページ
⚠ 注意

今年は筆記合格発表から口述までが約2ヶ月(65日)しかありません。2025年度は9/26発表→12/14口述で79日ありましたから、2週間ほど短縮された計算です。「発表を見てから考える」の余裕は、去年より確実に減っています。

合格発表の見方

どこで見るか——郵送は一切ありません

全国通訳案内士試験は、願書申請から受験票、結果通知、合格証書まですべて電子申請システム(shiken.jnto.go.jp)内の「マイページ」で完結します。施行要領にも「郵送による交付はありません」と明記されています。

発表公開方法
筆記試験(9/25予定)受験者全員にマイページで結果を公開
口述試験(2027/1/22予定)官報で合格者を発表 ②受験者全員にマイページで結果を公開

つまり、筆記の合格発表は官報には出ません。マイページにログインして自分で確認する形です。ログインIDやパスワードを忘れていると当日あわてるので、9月に入ったら一度ログインできるか試しておいてください。

何が分かるか——「合否」+「科目ごとの到達状況」

観光庁のガイドラインには、こう書かれています。

受験者には筆記試験の合否のほか、科目ごとに合格基準点に達したか否かを通知する。

ここが一次試験の最大の特徴です。総合点で一本の線を引く試験ではなく、科目ごとに基準点をクリアしたかを個別に判定します。だから結果通知を開いたときに見るべきなのは、大きな「不合格」の文字ではなく、その下の科目一覧です。

科目満点合格基準点(原則)
外国語100点70点
日本地理100点70点
日本歴史100点70点
一般常識50点30点
通訳案内の実務50点30点

この基準点は「原則」です。ガイドラインでは、実際の平均点が基準点から著しく乖離した科目については試験委員と事務局による検討会を開き、必要と判断されれば合格基準を事後的に調整すると定められています。自己採点でボーダーを数点下回っていた科目が、発表で「合格」になっていることは実際に起こり得ます。9/25までは自己採点の結果を確定と思わないこと

「合格」と「通過」は別物

結果通知の科目欄には、「合格」と「通過」という2種類の表記が出てきます。免除を使って受験した人にとって、この違いは翌年の戦略を左右する決定的なポイントです。

表記意味翌年度に持ち越せる?
合格その科目を実際に受験して基準点に達したできる
通過免除申請が認められ、受験せずに通過したできない(元の資格で毎年申請し直す)

たとえば歴史能力検定2級で日本歴史を免除にした人は、結果通知の日本歴史欄が「通過」になります。この「通過」は科目合格の持ち越し対象外です。ただし歴検免除そのものには有効期限がないので、来年もう一度歴検の合格証明書を出せば同じように免除できます。消えるわけではなく、申請ルートが違うだけだと理解してください。

✔ ポイント

発表当日にやることは3つ。

  1. 結果通知の画面をPDF保存かスクリーンショットで残す
  2. 受験番号(5ケタ)をメモする——翌年の免除申請に必須です
  3. 科目ごとの「合格/通過」をひとつずつ書き写す

マイページは2027年3月1日(月)から閲覧できなくなります。合格証書も含め、それまでに手元に落としておかないと、あとから確認する手段がありません。

科目合格の持ち越し——3つのパターン

一次の結果は、大きく3パターンに分かれます。どのパターンかで、翌年度に使える免除がまったく違います。

あなたの状況使える免除翌年度に受ける科目
一部の科目だけ基準点に達した(17)前年度一部合格科目免除落とした科目だけ
5科目すべてを受験して合格。その後、口述で不合格または未受験(18)前年度5科目合格者免除筆記は全免除。口述だけ
免除を使って一次合格。その後、口述で不合格または未受験(17)+各資格の免除を再申請実質ゼロ(申請は必要)

(17)前年度一部合格科目免除

前年度の筆記試験で、結果通知に「合格」と記載された科目を翌年度に免除できます。条件は次のとおりです。

  • 対象は前年度受験分に限り有効2年後には使えません(2026年度なら2025年度の結果のみ対象。2024年度以前は対象外)
  • 外国語科目を申請する場合は、前年度と同じ外国語に限る
  • 添付書類は不要。ただし前年度試験の受験番号(5ケタ)の入力が必須
  • 自動では免除されない。願書申請期間内に自分で申請する

つまり、科目合格の持ち越しは「1年だけ有効な切符」です。今年たとえば外国語・地理・一般常識・実務に「合格」して歴史だけを落としたなら、来年は歴史1科目に集中できます。ただし来年の結果通知では、免除した4科目は「合格」ではなく「通過」になります。来年また歴史を落とせば、今年の合格科目はそこで失効します。持ち越しは繰り返せません。

(18)前年度5科目合格者免除

一次に受かって二次で落ちた人のための規定です。翌年度は筆記試験が丸ごと免除になり、口述だけを受け直せます。ただし条件が厳格です。

  • 筆記試験合格証書」を所持していること
  • 前年度の筆記試験5科目すべてを受験して合格した人(口述が不合格、または未受験の人を含む)
  • 前年度受験時に免除が含まれている場合(結果通知に「通過」の科目がある人)は対象外
  • 外国語科目は前年度と同じ外国語に限る
  • 前年度受験分に限り有効
⚠ 注意

「筆記試験合格証書」は、1科目でも免除科目が含まれる場合は交付されません。免除をフル活用して一次を突破した人ほど、(18)のルートには乗れないという構造になっています。

とはいえ、詰みではありません。私のように歴検やTOEICで科目を免除して受験した人は、翌年度は「(17)実際に受験して合格した科目の持ち越し」+「歴検・TOEIC等の免除を再申請」という組み合わせになります。結果として受ける科目は同じでも、申請の手数と必要書類が増える点だけは押さえておいてください。自分のケースが該当するかは、必ずJNTO公式の施行要領と免除申請早見表で確認を。

共通の落とし穴:申請しないと免除されない

これが毎年いちばん多い取りこぼしです。施行要領にはっきり書かれています。

  • 前年度の合格科目が自動的に免除になることはない
  • 過去に免除申請をした人も、今年度あらためて申請が必要
  • 証明書類(合格証明書等)もあらためて提出が必要
  • 申請は願書申請期間内(2026年度は6月1日〜7月9日)。期間を1日でも過ぎると受理されない
  • 願書承認後の免除申請の追加・変更はできない

もうひとつ、見落とされがちなのが証明書の有効期限です。歴検・英検・旅取などは有効期限なしですが、TOEICと大学入学共通テストだけは期限付きで、しかも期限は年度ごとに繰り上がります。

免除資格2025年度の有効期限2026年度の有効期限
TOEIC2024年4月1日以降に取得した得点2025年4月1日以降実施分
共通テスト 日本史B・現代社会「2021年1月実施」の試験から有効2022年1月以降実施分

つまり今年の免除に使えたスコアが、来年は期限切れということが起こり得ます。TOEICで英語を免除して受験する人は、毎年スコアを取り直す前提でいてください。

しかも免除の有無で受験手数料は下がりません(一カ国語14,850円)。申請を忘れると、免除できたはずの科目を全額払って受け直すことになります。

✔ ポイント

翌年に向けて、今年のうちに保管しておくもの

  • 前年度の受験番号(5ケタ)
  • 筆記試験結果通知のPDF/スクリーンショット(科目ごとの「合格」「通過」が分かるもの)
  • 免除に使った資格の合格証明書(再提出用。再発行に時間がかかるものは早めに手配)※TOEIC・共通テストは有効期限あり。取り直しが要るか先に確認
  • 総合合格した場合の合格証書(他言語で受け直すときの合格番号に必要)

結果別・次の一手

一次に合格していた人

おめでとうございます。11月29日まで残り約2ヶ月です。9/25の夜からもう動いてください。

受験地にも注意が必要です。口述の受験地は英語・中国語・韓国語が東京近郊/大阪近郊/福岡市、それ以外の言語は東京近郊のみ。英語・中国語・韓国語で筆記を札幌・仙台・名古屋・広島・沖縄で受けた人は、この3ヶ所から選ぶことになります(筆記を東京近郊・大阪近郊・福岡市で受けた人は同一地域)。遠征が必要なら、宿と交通は受験票(11月上旬公開)を待たずに仮押さえしておくのが安全です。

二次の合格率はここ5年、44〜53%——ほぼ2人に1人で安定しています(合格率のデータ分析)。準備した人が普通に受かる試験です。

一部の科目だけ落ちた人

いちばん多いパターンで、いちばん設計しがいのあるパターンです。まず結果通知を開いて、「合格」の科目「不合格」の科目を仕分けしてください。

来年の作戦は、この2軸で考えます。

落とした科目持ち越し免除で消せる?外部資格で消せる?判断の目安
外国語(英語)×(今年落ちている)TOEIC L&R 900点(S 160点/W 170点でも可)年1回・一発勝負の本試験と違い、何度でも受け直せる。最優先で外部資格へ
日本地理×(今年落ちている)国内旅行業務取扱管理者(2026年度はCBTで9/3〜9/25。願書は7/15で締切済み)2027年度には間に合わない。2027年9月受験→2028年度免除の2年計画になる
日本歴史×(今年落ちている)歴史能力検定 日本史2級(2026年は11月15日)個人申込の締切は10月6日。発表から11日しかない。最優先で判断を
一般常識×(今年落ちている)△(共通テスト現代社会80点以上のみ)社会人には現実的でない。本試験で正面突破
通訳案内の実務×(今年落ちている)なし観光庁「通訳ガイドテキスト」が試験範囲。必ず本試験で取る

考え方はシンプルです。今年落とした科目のうち、外部資格で消せるものは外部資格に逃がす。年1回・一発勝負の本試験に賭ける科目を、複数回受けられる試験や別日程の検定に移し替えるわけです。そのうえで、今年「合格」だった科目は持ち越し免除で確保する。この二重装備で、来年の本試験は数科目まで絞り込めます。

免除ルートの全体像とタイプ別の設計は免除制度 完全ガイドにまとめてあります。科目別の勉強法は日本地理一般常識通訳案内の実務へ。

逆算カレンダー(2027年度合格を狙う場合)

時期やること
2026年9月25日結果通知を保存。受験番号と科目ごとの「合格/通過」を控える
2026年10月6日歴検 日本史2級の個人申込締切(歴史免除を狙うならここが最初の関門)
2026年11月15日歴史能力検定 日本史2級
2026年秋〜2027年春TOEICを受け始める(免除ラインまで複数回OK。有効期限があるので、受験時期は2027年度の施行要領で必ず確認
2027年6月願書申請+免除申請(前年度受験番号が必要)
2027年9月国内旅行業務取扱管理者(合格発表は10月。2028年度の地理免除用)

英語を外部資格に逃がすなら、TOEICは対策教材の充実度が段違いです。私自身、本試験の英語ではなくTOEICで免除を取りました(940点を取った勉強法)。仕事をしながらスコアを積む前提なら、スキマ時間で回せる教材を1つ決めて毎日触るのがいちばん近道です。

ほとんどの科目に届かなかった人

持ち越せる科目が少ない年もあります。それでも「勉強がゼロに戻る」わけではありません。出題範囲も形式もガイドラインで定められていて年ごとに大きくは動きませんし、一度本番を受けた経験値は独学者にとって大きな資産です。

来年に向けた組み立ては独学10ヶ月ロードマップ、出題の傾向は過去5年の出題傾向をAI分析を土台にしてください。時間があるうちに免除設計から入れるのが、遠回りに見えていちばん速いルートです。

二次で落ちた人(2027年1月)

最終発表は2027年1月22日(金)予定。官報とマイページの両方で確認できます。

ここで不合格だった場合、翌年度は筆記試験が免除(=口述だけ受け直し)になります。5科目すべてを受験して合格していた人は(18)、免除を使っていた人は(17)+資格免除の再申請です。いずれにせよ翌年6月頃の願書期間に自分で申請する必要があるので、1月の結果通知と受験番号は必ず保存しておいてください。

翌年の口述までは約10ヶ月あります。落ちた原因が知識なのか、英語の流暢さなのか、ホスピタリティの受け答えなのか——ここを冷静に切り分けるところから始めましょう。本番10分間の実録シチュエーション想定問答10選が、自己診断の物差しになります。

よくある勘違い

  • 「発表日は確定」ではない — 9月25日も2027年1月22日も、公式表記は「(予定)」です
  • 「免除があれば受験料が安くなる」わけではない — 免除の有無による減額はありません
  • 「筆記全免除なら受験票は来ない」わけではない — システムの仕様上マイページに受験票は発行されますが、筆記を受ける必要はありません
  • 「持ち越しは何年も効く」わけではない — 有効なのは次回(翌年度)の1回だけです

まとめ

✔ ポイント
  • 筆記の合格発表(9/25予定)はマイページのみ。郵送なし、官報にも出ない。官報は最終発表だけ
  • 通知されるのは合否だけでなく科目ごとの到達状況「合格」は持ち越せる、「通過」は持ち越せない
  • 持ち越し免除は翌年度の1回だけ自動ではなく、願書期間内の申請が必須(前年度の受験番号5ケタが必要)
  • 一次に受かって二次で落ちた人は翌年度の筆記が実質免除。5科目すべて受験して合格した人は(18)、免除を使っていた人は(17)+資格免除の再申請
  • マイページは2027年3月1日から閲覧不可。結果通知と合格証書は必ず手元に保存
  • 適用条件は年度で変わり得ます。必ずJNTO公式の施行要領・免除申請早見表で確認

受かっていたら二次までの2ヶ月計画へ、届かなかったら免除制度 完全ガイドへ。どちらに転んでも、9/25は「終わりの日」ではなく次の設計を始める日です。

出典:2026年度全国通訳案内士試験 施行要領(JNTO)/全国通訳案内士試験ガイドライン(観光庁・令和7年4月7日改正)

この記事を書いた人

全国通訳案内士(英語)。歴検2級+TOEIC940の免除戦略で2025年度試験に独学一発合格。現役ガイドとして実働80日・VIPプライベートツアー対応。一棟貸切民泊を運営。